おいしい浮世絵展感想 六本木と表参道を新しい靴で歩きまわった休日
都内23区在住・勤務であるにもかかわらず、ちょっと生活範囲外の場所へ行くと「やはり都心は疲れるわね……」と思ってしまうみくこです。
9月はそんな「都心」でひとり楽しむ機会が何度かありました。
家電もホームセンター系も日常の買い物もすべて近場で済むという便利な場所に住んでいるから、こんなご時世もありわざわざ電車に乗って出かけることが前にも増して激減したここ最近。それでもやっぱり新しい靴をおろしたり久しぶりにヒールのあるパンプスをはいたりして都心を歩くのは心躍るものがあります。
今回は出不精な私のとある休日の記録。
「おいしい浮世絵展」@森アーツセンターギャラリー


葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳ら名だたる浮世絵師が描いてきた江戸の食風景がテーマのこの展示、ここ最近興味のあるテーマ×食だったのもあり楽しみにしていた(コロナの影響で延期になっていたけれどやっと開催されてよかったです)。
今よりも食材や調味料、調理方法が限られていたはずである江戸。にもかかわらず、あの手この手で人々が食を楽しむ様のなんと豊かなことか。日本史で学ぶだけでは見えてこなかった江戸の庶民の食生活やこだわりが、多くの浮世絵から知れたことは貴重な体験だった。五十三次など各宿場での名物料理なんかもあって範囲は幅広い。
特に展示が多かったのは歌川国貞(三代目豊国)と歌川国芳の作品で、新たな魅力を発見してしまい思わず物販でポストカードを購入。台所美人シリーズは会場でも人気でした。生き生きとおいしそうに描くし要素が多くて初心者にもとっつきやすい、華やかな絵が多かった。あと洒落ね。高度過ぎて私にはわからないけれどその遊び心が当時の娯楽。
【#夏の浮世絵五番勝負】
— おいしい浮世絵展【公式】 (@OishiiUkiyoe) September 2, 2020
お題伍「今宵の宴」
隅田川をのぞむ宴席でゆったりと寛ぐ女性たち🎐左側の女性が持つ器には白玉と深鉢いっぱいのお砂糖!水物に西瓜とさながら女子会です🍶冷えたお猪口で飲むお酒はおいしいでしょうね…🤤 @theUKIYOE2020 もチェック✔️ #Ukiyoe2020 #おいしい浮世絵展 pic.twitter.com/7NULkputJ9
上はかき氷と言っても差し支えなさそうな涼しげな甘味と下は両国での女子会。フルーツや白玉を楽しむ女子の絵が結構あったんだけど今のタピオカ女子と重なってなんかかわいかった。
【 #おいしい浮世絵展 本日最終日🥺】#イチオシ浮世絵
— おいしい浮世絵展【公式】 (@OishiiUkiyoe) September 12, 2020
駒込は江戸時代おいしい茄子の産地でした😋青に裏地が赤の着物をゆるりと着て襷をかけ、懸命に野菜包丁で皮をむいている女性。真剣な眼差しにこちらも思わずジッと手元を見てしまいます👀 #茄子おいしい pic.twitter.com/gfc0Kfunfs
これは「江戸自慢名物比べ」駒込の茄子。江戸は今も続く知った地名ばかりなのでとっつきやすいです。
対して北斎の展示はそれほど多くはなかったものの(50歳ごろの北斎漫画からがほとんど)、紙にかじりつくように描いた北斎が思い浮かぶような緻密で細かい絵が多かったのが印象的。生き生きと描くというよりも見えたものを精確に描かれている。判型も小っちゃい。
【 #おいしい浮世絵展 閉幕まであと6日】#イチオシ浮世絵
— おいしい浮世絵展【公式】 (@OishiiUkiyoe) September 8, 2020
後ろ姿の人に注目👀見附は富士山も綺麗に見える場所でした。彼は名物の蕎麦を食べつつ富士を眺めています🗻 左にどんぶり、右に箸をもっていることからぶっかけ蕎麦だとわかります🧐北斎は富士を描かずしてその美しい姿を暗喩する心憎い演出! pic.twitter.com/nTOOfEpoqn
細か〜〜〜〜〜。蕎麦はほかの絵師のどの絵もめっちゃ麺が長く描かれていてチーズハットグか???と笑ってしまうのとただただおいしそう。そういうものだったのかはたまた表現なのか。
会場内唯一のフォトスポットは二ハ蕎麦の屋台。江戸の外食文化という切り口はおもしろかった。当時は家の中で火を扱ってはいけなかったらしい。火事多いもんな江戸。
【 #おいしい浮世絵展 閉幕まであと2日😖】#イチオシ浮世絵
— おいしい浮世絵展【公式】 (@OishiiUkiyoe) September 12, 2020
日本橋は江戸城の外堀と隅田川の河口を繋ぎ江戸の水運交通の要、江戸の食の原点とされています🏯日本橋の魚河岸は一日千両の大金が動いていたとも💸今にも江戸の活気ある人々と喧騒が聞こえてきそう…👂これぞ江戸!ともいえる作品です✨ pic.twitter.com/Gem5CsUGtM
密すぎる日本橋が圧巻。
音声ガイドを使ってみっちりと楽しんでいたらコラボ料理を食べに行きそびれたのだった……展示では当時から綿々と続く老舗店の紹介やその発祥まで紹介されていたので、それらのお店にはぜひ死ぬまでに一度足を運んでみたいと思いメモメモ。
買ったもの〜。厳選に厳選を重ねたポストカード、ダイカットポストカード、チケットケース、クリアファイル。
絞りの着物が夏らしい白玉の団扇絵がほしかったけれど人気だったようでダイカットポストカードはなかった。ポーチやマステなどもあり悩んだけれどクリアファイルで。保存しづらそうで迷った国芳の東海道五十三次×ねこ「其のまま地口 猫飼好五十三疋」はもうね…買ってしまいますよね…(かわいい)Kanroの飴はレジでいただけた。
公式図録も長いこと迷い、雨も降っているしモノを増やしたくないしとやめて…そして結局今注文しようとしているところです。\買えばよかった/
おいしい浮世絵展公式図録 | 図録専門販売サイト MARUYODO
美容院@表参道
浮世絵展のあとは表参道に移動。トリートメントとヘッドスパをメインに探して見つけた美容院へ。隠れ家みたいなわかりづらい入り口で、静かでかつアンティークが素敵な店内、ヘッドスパも最高に気持ちよくトリートメントで髪がトゥルトゥルに。美容師さんとの会話も心地よく、すべてに心が洗われた〜。
コロナ禍、できるだけ自分でヘアケアできるようにと心がけていたところがあったけれどやっぱり美容院行くと髪と心が喜びますね。ヘアオイルとセット用トリートメントの情報をいただいたので帰ったら検討。30代も半ばになると、重ねた年齢に合った髪の長さなど新たな悩みに種があってだな。
あと美容院で久しぶりにタブレットで雑誌を読んで、やっぱり雑誌サブスクは入り直そうと思ったよ(Tマガジン終了に伴いひとつサブスク断捨離したつもりでいた)。半・楽天ユーザーだから楽天マガジンも惹かれるけれど口コミや使い勝手などからdマガジンかな〜。Tマガユーザーはサービス終了後dマガジンにかなり流れたような印象。
テイクアウト@太陽のトマト麺
また場所を移動して太陽のトマト麺で「太陽のチーズラーメン」をテイクアウト。そのまま帰って家でいただきました。この日は絶対太陽のトマト麺でテイクアウトするんだと心に決めていたんだ…
これこれ〜!太陽のトマト麺は大好きで一時期めっちゃ通ったのだった。久しぶりで、一日中歩きまわって疲れた体に沁みた。ラーメンのテイクアウトは初めてだったけれど、麺がのびないようにスープと分けて包装されているので安心。残ったスープを余すことなくいただく「らぁリゾ」も注文しようか迷ったけれど、家のごはん投入すればいっか★となった。
家が好きなのもありテイクアウトにハマっている。テイクアウトしに出かけたいくらいだけど、近所でテイクアウトしてこそ今あえてテイクアウトする意義があるのか??などと思うとなかなか開拓が難しいけれど。
もちろん外食も好きだししたいけれど、それは誰かと行くときにとっておこうと思う。
おわりに
この日新しい靴をおろして歩きまわったのは六本木・表参道エリア。印象としてはどちらもかなり人が多くて自粛ムードはほとんど薄れている感じ。特に表参道は、雨だったのに前に進めないほどの人混みだった。六本木なら展示やイベントも多いのでわかるが表参道…??美容院は裏参道の方だったので静かでとても居心地よかったけれど。
「おいしい浮世絵展」は閉幕ぎりぎりだったので間に合ってよかった〜。映画にもなる北斎につられての鑑賞というミーハー心も大きかったけれど新しい興味が生まれて今とても楽しい。
家は好きだし情報もネットでいくらでも取りにいけるけれど、やっぱりたまにこうして普段よりちょっとだけおしゃれして出かけて、心と体と頭の中に新しい空気を取り入れていくのって室内の換気と同じで必要なことだよな、と感じた休日でした。